会計学

補助金

その補助金、企業のお小遣いじゃありません!企業の意識を問う


石津寿惠先生

明治大学 経営学部 会計学科(経営学研究科 経営学専攻)

出会いの一冊

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん

青木祐子(集英社オレンジ文庫)

文庫からコミックになり、さらに2019年には多部未華子主演でNHKドラマにもなった小説です。会社の経理部所属OLである主人公が、領収書から見える会社の問題を解決。日常的企業活動の裏には必ず「お金」があることが、とてもよくわかります。会計がとても必要な知識だと実感できるはずです。

こんな研究で世界を変えよう!

その補助金、企業のお小遣いじゃありません!企業の意識を問う

政府は毎年50兆円近くの補助金を支出

現在、会社の会計で補助金は利益とされますが、それで良いでしょうか。

コロナウィルスの大流行といった疾病治療薬の研究開発のためや、病院・学校などの建設のため…様々な公益サービスに対して、毎年政府からは、補助金等として民間(政府以外)に対して50兆円近い資金が支出されています。

インターネットでは「補助金をもらおう」という情報が満載です。でも果たして、補助金は「もらっちゃう」だけのものでしょうか。

補助金は果たすべき義務をともなうお金

公益サービスを提供するからこそ、皆さんが納めた税金を原資とする補助金が支給されているはずです。例えば、単にお小遣いをもらったのであれば(合法的・公序良俗に反しなければ)、何に使ってもOK。

他方、「このお金でテキストを買って勉強なさい」と言われ受け取った場合、テキストを買わないのはもってのほかですが、買っただけで読みもしないのも約束違反ですよね。つまり両者では明らかに意味合いが違います。

補助金は利益か負債か

会計ではもらったもの(贈与)は利益。約束(義務)があれば負債。では、補助金はどちらでしょうか。私の研究は、補助金の性質を明確化し、補助金の受け取り側に公益サービス提供義務を果たしてもらうための理論を考えるものです。

会計の役割はお金の流れを社会に公表すること。負債として公表すれば、ちゃんと果たそうという意識が芽生えるはず!!ではありませんか。

フィールドスタディー授業で広島に。 明治大学経営学部では「学生を社会に飛び込ませる」試みを多く行っています。 これは受講生と広島に行き、オタフクソースでプレゼンをした後、お好み焼きを実習した時の写真。
フィールドスタディー授業で広島に。 明治大学経営学部では「学生を社会に飛び込ませる」試みを多く行っています。 これは受講生と広島に行き、オタフクソースでプレゼンをした後、お好み焼きを実習した時の写真。
先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「多角的視点による補助金の本質の究明―収益か負債か純資産か―」

詳しくはこちら

どこで学べる?
先生の研究室では

統計や一次資料に基づく「発想」をせよ、「思い付き」は通用しないので、主張したいことがあるなら、そのバックデータをしっかり持つよう訓練をしよう、と話しています。

もっと先生の研究・研究室を見てみよう
フィールドスタディーで広島実習をした際の一コマ
フィールドスタディーで広島実習をした際の一コマ
先輩にはこんな人がいる ~就職

◆主な業種

(1)金融・保険・証券・ファイナンシャル

(2)官庁、自治体、公的法人、国際機関等

(3)農業、林業、水産業

◆主な職種

(1)経理・会計・財務、金融・ファイナンス、その他会計・税務・金融系専門職

(2)公務員

(3)商品企画、マーケティング(調査)

◆学んだことはどう生きる?

スポーツ関連会社に就職した卒業生がいます。会計のスキルを身につけて経営戦略室に配属されていましたが、東京オリンピックを控え、国際業務が拡大するようになった際、彼は英語と会計の両方をバランス良く学んでいたため、若いながら中心的役割を担い、忙しいながら充実した仕事をしているとのことです。

先生の学部・学科は?

ビジネススキルの三種の神器、IT、英語、そして会計。これをバランス良く提供するシステムを備えています。英語力をつけるコース「GREAT」、高度会計知識を身につけるコース「CAP」、そして多くのWeb提供授業(コロナ対策を契機として躍進)による実践的なITスキルの習得。これらを各学生がニーズに応じて選択して取り組むことができるのが、我が会計学科の大きな特色になっています。

また、経済社会の構成要素として会社は大きな存在ですが、社会の多様化やSDGsの推進などを考えれば、政府やNPOにも大きな役割期待がかかります。本学科には、企業会計を中心としながら政府やNPOの会計も学ぶプログラムが用意されています。

中高生におすすめ

稲盛和夫の実学 経営と会計

稲盛和夫(日経ビジネス人文庫)

筆者は、京セラやKDDIの創業、JALの再生などをした日本有数の経営者。もともと会計はど素人でしたが、会計を学び、それを武器に会社を強くしました。わかりやすい体験談を用いているので、中高生にとっても面白く読めます。理念は「利益を追うのではない、利益は後からついてくる」。経営者はそうあってほしいものです。


Web−Tax-TV(動画)

国税庁

国税庁のホームページから見ることができる動画です。「隠された脱税資金を追え!」「海を越えた税務調査」など、国税庁の仕事をドラマ仕立て(脱税者などの調査等)で提供しているものですが、内容は会計の計算や会計に関わる現在の実務的問題に触れていますので、会計が世の中における生きた実務としてどのように役立っているかを、楽しく捉えてもらえると思います。各動画はそれぞれ20分間程度ですので、気軽に見られると思います。
[Webサイトへ]


有吉のお金発見 突撃!カネオくん(テレビ番組)

NHK

会計は、世の中の「事象(出来事や事物)」をお金の側面から捉えるものです。心の中の問題(愛とか)は別として、お金なくして存在する事象はないと言っても過言ではありません。例えば、オリンピックで金メダルを取るにしても、競技場、選手強化(費)、運動用具の技術開発など、実はお金なくして勝ち得る戦略はありません。精神性だけでは不可能なのです。番組を見ると様々な「事象」をお金の面からリアルに可視化して捉えるトレーニングになり、会計思考の根底の醸成になると思います。
[Webサイトへ]


先生に一問一答
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

米国(在外で暮らしたサンディエゴ)。西海岸は経済的に豊かで、時間がゆったり流れているので。

Q2.一番聴いている音楽アーティストは?

ラフマニノフ。特に、『ピアノ協奏曲第2番』。

Q3.大学時代の部活・サークルは?

考古学研究会

Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?

地方(秋田)の農家に寄宿して発掘三昧。バイト代をもらって、地域の人とほのぼの交流していました。

Q5.研究以外で楽しいことは?

ペーパークラフト


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