経済政策

経済の活性化

得意分野を活かしたイノベーションで、日本経済を再び元気に


宮川努先生

学習院大学 経済学部 経済学科(経済学研究科 経済学専攻)

出会いの一冊

生産性とは何か 日本経済の活力を問いなおす

宮川努(ちくま新書)

生産性という言葉が、日本ではいかに誤解されて使われているかがよくわかります。言葉というものは、勝手なレッテルやイメージで使うのではないということを知って欲しいです。

こんな研究で世界を変えよう!

得意分野を活かしたイノベーションで、日本経済を再び元気に

もはや「先進国」ではない日本の経済

私が教えているのは経済学で、特に最近の日本経済の動向に関心があります。

実は日本経済は元気がありません。平成が始まった頃は、日本の経済力は先進国でもトップの水準でした。しかし平成の1人当たりの豊かさでは、この30年間にどんどん他の先進国に抜かされ、最近10年間ではアジア諸国にも追い越されるようになりました。

凋落はイノベーションがなくなったせい

日本経済が凋落してきた要因にはいろいろあるのですが、その一つに顕著なイノベーションがなくなったことがあげられます。かつて私たちの身の回りには最先端の日本製品が溢れていたのですが、いま若い皆さんが興味を持っているものの多くは米国発であったり、中国発、韓国発であったりします。

このため、日本では何年も前から新しい製品を出す新規の企業を待ち望み、援助もしているのですが、成果が上がっていません。

写真フィルムの会社が薬をつくる

でもかつての日本を考えても、米国のように新規企業が活躍したわけではありません。むしろそれまでの企業が自分の得意分野から新製品を売り出して、その企業だけでなく、経済全体を活性化させてきたのです。

例えば、新型コロナウイルスの治療薬として注目を浴びたアビガンという薬は、富士フイルムが製造元ですが、この会社は、元は写真のフィルムを製造していた会社です。

こうした会社が新しい分野に乗り出していくことで、どれだけ日本経済を元気にできるかを考えるのが、私の研究の目的です。

先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「複数財生産企業の生産性向上要因の研究」

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3年生の演習でシンガポールを訪れた際の一枚
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鯨岡仁(朝日新書)

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