日本語訛は消せない!が、通じる英語の発音がある
ネイティブスピーカーのように話したいが
外国人と英語で話したことはありますか。その時ちゃんと通じましたか。英語に限らず外国語の発音は難しいです。私たちは外国語を学ぶ時、ネイティブスピーカーのような発音で話せるようになりたいと思いますが、最近の研究では、母語の訛をなくすことはほぼ不可能だということがわかっています。
いろいろな国の人に通じる発音が大切
また、ネイティブスピーカーのように話すことはあまり重要ではなく、母語訛があっても、いろいろな国の人に通じるわかりやすい発音のほうが大切だということもわかってきました。
特に英語は母語話者よりも、外国語として英語を話している人口のほうが圧倒的に多いです。つまり、どの国の人にも自分の伝えたいことが理解される発音の方が大事です。でも、完全な片仮名で話してしまうと、通じません。
母語訛があっても通じる発音を探る
そこで、母語の訛がどの程度強いと通じないのか、どういう発音の間違いは意思の疎通の妨げになって、どういう間違いはあまり妨げにならないのか、外国語を使ったコミュニケーションで、母語訛があっても通じる外国語の発音とは何かを探る研究をしています。
現在、具体的には、日本語話者と英語話者とフランス語話者が、それぞれ互いの言葉を学んだ時に、母語の訛があっても、相手が誰でも通じる英語、通じる日本語、通じるフランス語の発音の基準を、科学的に解明することを目指しています。また、それを助けるためのコンピュータ学習ソフトの開発も行っています。
外国語を勉強することは、簡単ではありません。よく言われる留学も一つの方法ですが、誰もが留学できるわけではなく、留学したから発音が良くなるわけでもありません。それよりも普段の学校の授業をどんどん活用すべきだと思います。
特別の教育を受けなくても、誰でも普通に努力をすれば、学校の授業だけで外国語が使えるようになる環境を提供できるように、わかりやすい、学びやすい、発音のコツを教えられる教材づくりを目指しています。
「効果的音声コミュニケーションのためのL2音声自動評価および学習支援システムの開発」
小林哲則
早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科/基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻
人間がどう話しことばの音声を理解しているのかを、工学の立場から研究しています。音声だけでなく画像の認識の研究や、会話ロボットの研究もしています。
菊池英明
早稲田大学 人間科学部 人間情報科学科/人間科学研究科 人間科学専攻 感性認知情報システム研究領域
会話やSNSなどの人間同士のコミュニケーションの他、ロボットとのコミュニケーションも対象にしたことばや声の科学的な研究に取り組んでいます。
天野成昭
愛知淑徳大学 人間情報学部 人間情報学科/心理医療科学研究科 心理医療科学専攻 言語聴覚学専修
人間はことばを使って情報や知識を共有していますが、実際にどうことばを操っているのかまだまだわからない点が沢山あります。それを心理学の見地から解明する研究を行っています。
北村達也
甲南大学 知能情報学部 知能情報学科/自然科学研究科 知能情報学専攻
ヒトが話す時の舌や唇などの動きを計測して、声の個性が生まれる仕組みを研究したり、発話訓練支援システムの開発を行っています。
峯松信明
東京大学 工学部 電子情報工学科/工学系研究科 電気系工学専攻
人間の音声を音響的に解析し、私たちがどのように音を認識するのか、また自然な言語音の合成などの研究をしています。日本語や英語など、様々な外国語を勉強するための学習支援システムも開発しています。
◆ゼミ「Language and Communication:Phonetics Phonology」では
言語の音声とその習得に特化して教えています。どうして英語のLとRの区別は難しいのか、逆に英語話者はどうして「居た」と「行った」の区別ができないのかなど、音の問題について科学的に見つめています。
◆主な業種
(1) 高校・専門学校の教員
(2) 官庁・自治体・国際機関の職員
(3) 様々な一般企業
◆学んだことはどう生きる?
卒業後の進路は様々ですが、専門を生かした分野では、外国語教育関係の職業に就く学生が毎年一定数います。海外で日本語を教えている卒業生もいます。必ずしも外国語を教える教員だけではなく、教材作成や教育の方針を決める部署や省庁に勤めている卒業生も少なくありません。最近増えてきたのが、教育関係のソフトなどを製作する会社で、システムエンジニアやプログラマーとして働いている卒業生もいます。
早稲田大学国際教養学部は、全科目英語で授業を行っています。学生の出身国も様々で、母語も異なるので、同じ言語の問題を扱っても、いろいろ異なる解釈、解決法などが出てくる、言語学を学ぶにはとても面白く恵まれた環境です。
細かい日本語の発音や表現の違いについて英語で説明するなど、ちょっとした挑戦だと思います。普段当たり前だと思っていたことが、母語が変わると難しい、またはその逆など、日々新しい発見があります。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 食物科学か地学。体づくりや健康の基本は、食物です。栄養素が整っているとなぜどんな食べ物も美味しいのか、カビなどが体の害になったり味を良くしたりする原理は、摩訶不思議です。もし機会があれば、食物のことや栄養について、基礎から勉強してみたいと思います。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 一番行ってみたい、何年か住んでみたいところは、中東の国々です。まだ行ったことはありませんが、写真などで見ると街並みがきれいで歴史や遺跡が素晴らしく、何より中東の食べ物が大好きです。レバノン・シリア・ヨルダン料理などの本は沢山持っています。ただ、今しばらくは行けそうもないのがとても残念です。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? コマーシャルと映画のエキストラ。ジャムのコマーシャルでバスケットボールの試合の観客や、怪獣映画の“逃げ惑う民衆”をやりました。大竹しのぶさん主演の『ああ野麦峠』の製糸工場の女工役も抽選で当たったのですが、地毛で髪が結えることが条件で、残念ながら髪の毛の長さが足りずに、あきらめました。 |
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Q4.研究以外で楽しいことは? 和太鼓。もう8~9年位習っていますが、まったく上達していません。でも楽しいです。ドレミの音階がなく、リズムだけなので、一度音を外すと戻るのが難しい、奥が深い楽器です。櫓の上で太鼓を叩くのが夢です。 |
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Q5.会ってみたい有名人は? さかなクン。あの魚についての知識量は半端でないと思います。相当勉強をしているのだろうと思いますが、一般の人たちが興味を持ち、よくわかるように説明できるのは素晴らしいことだと思います。少し前にコマーシャルで、サックスを吹いたのには感動しました。絵も上手ですね。あと、さかなクンの声を分析してみたい。 |