組織の創造性を生み出すのは主観だ!
客観性か主観性か 会社に必要なのは?
私は経営学部で人の主観的なものの見方によって生み出される創造性について研究しています。
会社では昔から客観性が重視されてきました。誰かが会社から抜けても、会社が持続的に継続されるためには、誰もが同じように解釈できる客観性は重要ですよね。一方で、客観性を追求しすぎると、従業員一人一人が持つ多様な見方を排除する結果となってしまいます。結論から言えば、会社が新しい物事を始めるときには従業員の主観的な多様な見方が必要なのです。
アイデア出しは主観的に ノウハウは客観的
文化祭で何をやるかということを考えてみましょう。これには、「何をやるのか?」と「どうやってやるのか?」という2つの視点があります。
前者を考えるときには、「そもそも来てくれる人は何が好きなのか?」や「今何が流行しているのか?」といったことを考えなければなりません。ここでは、最初のアイデア出しで多様な意見が出れば出るほど、その後の選択肢が増えます。そのため、ときには回り道になるかもしれませんが、クラスの誰もが主観的に好きなことを言い合える環境があると良いですよね。
一方で、「どうやってやるのか?」は多様な意見よりも、実現するための最短の道となるアイデアが必要になります。ここで求められるのは、最短の道につながるノウハウです。このノウハウはできる限り多くの人で共有しておいた方が良い、客観的な知識です。
このように高校生のみなさんも経験するようなプロセスを私は研究していますし、みなさんの高校での経験が世界に通じる研究になるということです。
大学院修士課程まで理系でしたが、その修士課程の授業で学んだ経営学に惹かれ、いつか学ぼうとその時決心しました。その後、エンジニアとして就職しました。そして、リーマンショックという不景気に入り、残業もなくなって暇になったので、経営学を学びに大学院に行きました。そして、そこで学んだのが創造性における主観の大切さです。大学教員になるまで遠回りしましたが、その遠回りが良かったなと感じています。
「デザイン思考の促進メカニズムおよびデザイン戦略としてのインクルージョンの評価」
◆ 後藤 智先生紹介
大学は研究者が最大の強みになると思います。その大学にどのような研究者がいるのかを重視した方が良いのではないかと考えています。ぜひ、教員リストを見て、あなたの主観に合う研究をしている研究者がいる大学を選んではどうでしょうか。そういう意味で、私の所属する学科のユニークさは、所属している研究者そのものになります。
好きなことを徹底的に追求する。学問、スポーツ、漫画・アニメ、寝ること、ぼーっとすること、何でも良いです。今最も時間を費やしているものを追求し、そこから学べることを徹底的に学んでください。例えば、ぼーっとすることを世界中の誰よりも追求し、世界一ぼーっとすることが上手い人間になる。そして、ぼーっとすることが一体人間の体にどのような影響をもたらすのか、ぼーっとすることがどのような産業を創出するのか、、、、。何でも研究になります。
勉強を行うということは、難しい本を読むことである。漫画やアニメは遊びである。そう思っていませんか?それ自体が規範に縛られています。日本には漫画やアニメという一大コンテンツ産業があり、そこでは日々作者の主観的なものの見方から草の根的にどんどん創造的な作品が創造されています。これは、できる限り多くの情報を仕入れ、客観性を重視し合理的な判断による創造とは全く異なる、自分の好きなことから、主観的に、非合理的な判断から生み出す創造的コンテンツです。その創造プロセス自体から学ぶこともできますし、結果として創造されたコンテンツの多様性から学ぶことも多くあります。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 18歳の頃辛かったので、そもそも戻りたくない。大人の方が楽しい。 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 家が大好きなので、外国どころか家の外に出たくない。 |
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| Q3.大学時代の部活・サークルは? サッカー |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 家でじっとしていること。 |

