ビューティフル・マインド
監督:ロン・ハワード、出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリーほか
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた作品です。数学者としての栄光と苦悩を描くと同時に、統合失調症と向き合う主人公の姿を通して、「人生で本当に大切なものは何か」を問いかけます。
ナッシュは「ゲーム理論」への貢献で知られ、この映画にもその描写がちょっとだけ登場します。私の専門分野である「最適化理論」は、より良い意思決定を導くための理論で、ゲーム理論と深く結びついています。大学2年のときに授業でその関係を知り、また、講師の先生がこの映画を紹介してくださったことがきっかけで、今でも心に残る作品となっています。
数学を使って、投票者の意見を一つにまとめる理論を開発
18世紀以降、投票理論が議論されてきた
私は現在、投票理論の研究をしています。投票理論は「投票者の意見をどのように一つの結論にまとめるか」を考える研究分野です。
18世紀フランスの数学者ニコラ・ド・コンドルセとジャン=シャルル・ド・ボルダによって投票理論の基礎が築かれました。以後、投票者の意見をまとめる「ルール」が満たすべき「条件」について議論が重ねられてきました。しかし、20世紀に入ると、アメリカの経済学者ケネス・アローが「すべての条件を同時に満たす完璧なルールは存在しない」ことを証明し、投票理論は大きな転機を迎えました。
現実に生じる意見も反映できるアルゴリズム
このような流れの中で注目されているルールの一つに、ハンガリーの数学者ジョン・ジョージ・ケメニーが提案した「ケメニー法」があります。これは、投票者が候補に順位をつけたとき、それらの順位からの「ズレ」を最小にする順位、つまり投票者の意見に最も沿う順位を結論とするルールです。このような順位を計算する問題は実は最適化理論の技術で解くことができます。こうした理由から、最適化理論を専門としつつ、投票理論の研究に挑戦しています。
従来のケメニー法では「ある候補には意見がない」や「二人の候補に差がない」といった意見を扱えません。私は現在、そうした不完全だが現実に生じうる意見も反映できるようにケメニー法を拡張し、対応する計算問題を解くアルゴリズムの開発とその性質の解明に取り組んでいます。
小さい頃から数学が好きでしたが、高校では思うように成績が伸びず、「自分には向いていない」と感じていました。そんな中、担任の先生の「社会の役に立て」という言葉が心に残り、社会の課題解決に数学を生かす「応用数学」を学べる学科へ進学しました。大学では、最適化理論やゲーム理論、離散数学など、高校までの数学とはやや趣きの異なる数学に出会い、その奥深さに魅了され、今に至ります。
「不完全性と無差別性を許容する選好集約と最適化」
席替えの「最適解」を探ってみましょう。窓際に座りたい人、前の方に座りたい人、これまで隣になったことのない人と座りたい人。みんなのさまざまな希望や気持ちを踏まえたとき、どんな席替えがいちばん良いと言えるのでしょうか。いろいろな観点から考えてみましょう。
| Q1.感動した/印象に残っている映画は? Schindler’s List |
|
| Q2.大学時代の部活・サークルは? フットサル |
|
| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 眼鏡屋 |
|
| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? いろいろな人のいろいろな価値観に触れること |

