確率を使って将来の金融リスク発生を予測
倒産を予知できたら
私たちは沢山の会社が提供する商品やサービスを使って生活しています。企業は互いに色々な商品やサービスを提供し合うことで、社会経済の重要な一翼を担っています。
ある企業が倒産するようなことが起こると、直接の協力関係にあった企業だけでなく、私たちの生活にもさまざまな困難や不便が生じます。企業の倒産を前もって察知し損害を防ぐワザがもしあれば、その意義を否定する人はいないでしょう。
数学で社会経済に貢献
私は大学で数学を学んだ後金融工学の分野の研究者を目指す中で、数学を駆使してそのようなワザを探し求める研究に自分なりの貢献ができるなら、ひょっとしてそれは高校生の頃から漠然と憧れていた姿だったかもしれないと気づきました。それ以来、やりがいのあるテーマと思って取り組んでいます。
不確実なことは確率で表現
企業の倒産のように、起こってほしくないことで、しかもそれが起こるかどうか前もってはわからない事柄を「リスク」と言います。リスクが現実のものになるかはそうなってみないとわからないので、前もって何とか対処しようとしてもどうにもならないかに見えます。
しかし、そのような不確実なことでも確率を使うと数学の議論に乗せることができて、単なるお手上げ状態よりも良い対応が期待できます。
ひとつのアプローチとして、不確実な経済的環境のもとでの企業活動を確率のコトバと数式を用いてうまく表現できれば、不確定性を抱えながらも、将来の金融リスク発生を予測し管理することが可能になると期待できます。そのような形で役に立つ成果を目指して、日々研究に励んでいます。
「企業倒産の特徴抽出と多様な倒産要因を反映した倒産リスク評価手法の確立」
◆主な業種
(1) 金融・保険・証券・ファイナンシャル
(2) コンサルタント・学術系研究所
(3) コンピュータ、情報通信機器
◆主な職種
(1) 経理・会計・財務、金融・ファイナンス、その他会計・税務・金融系専門職
(2) 技術系企画・調査、コンサルタント
(3) システムエンジニア
青山学院大学理工学部数理サイエンス学科では、代数、幾何、解析といった純粋数学に加えて、数理生物学や数理ファイナンス・金融工学といった応用数学まで、多岐に渡る研究テーマを扱っています。また講義に付随した演習科目を数多く開講しているなど、学生と教員あるいは学生同士の議論や対話を重視したカリキュラムを用意しています。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 数学 |
|
Q2.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 高校生の一時期に、歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』に熱中していました。 |
|
Q3.大学時代の部活・サークルは? 囲碁部、ゴルフサークル、ピアノサークルにそれぞれ少しずつ顔を出していました。 |