農地を維持し、 持続可能社会を支える所有権
人類は3度目の大転換期に
これまで、人類は3度の大転換を経験してきました。1度目は狩猟採取社会から農耕社会への、2度目は農耕社会から産業社会への、そして今、私たちは産業社会から持続可能社会への3度目の大転換に直面しているのです。
この転換は、前の2つの転換と違って、長期にわたる自然のプロセスとしてではなく、人間があらゆる英知を統合して、意図的に計画的に試行錯誤する中でしか達成することはできません。
しかも、この達成が早期に成就しないと、人類は滅亡せざるを得ないのです。この危機をもたらした根本原因はどこにあるのでしょう。
人間は自然の循環の中でしか生きられない
そもそも人間は、労働を通じて自然に働きかけ、生存に必要なものを体内に摂取し、不要物を排泄するという、自然との循環関係の中でしか生きることはできません。
人類はその発生以来、この循環関係を持続させてきましたが、つい最近(産業社会)から、自然の生態系を破壊するような自然支配の関係が作り上げられ、循環を乱してしまったのです。
自然との持続可能な循環を保つには
この関係を支えてきたのが、私的所有権という法制度です。ある物の所有権を持つ者は、その物をどうすることも自由です。使わずに放り投げてもいいし、他人に売り払ってもいい。その物の中に自然も入るのです。これでは自然との持続可能な循環は保てません。
私の研究は、人間の生存に必要な食料の生産基盤である農地を、農地として維持できるような所有権をどう作るか、その内容をその他の物にどう応用できるかを考えて、持続可能社会を支える所有権の制度を構想しようというものです。
人間と自然の関係の意識的制御
SDGsのすべての目標を実現するための基礎に、この課題があります。資本主義自由市場経済では、利潤追求を自己目的とするので、この制御はもともと困難です。
しかし、例えば現行の農地法制における農地所有権は、人と農地の関係を意識的に制御することを可能にするように作られています。それにもかかわらず、この農地所有権を廃棄しようとする動向が、特に日本で強いのです。これを廃棄するのではなく、他の所有権にも応用することで、人と自然の関係を改善できるはずだと考えています。
◆先生が心がけていることは?
故障品の修理、食品残渣回避、プラスチックをなるべく使用しない、歩ける距離は歩く。
「農地の法的社会的管理システムの比較研究」
◆主な業種
(1)マスコミ(放送、新聞、出版、広告)
(2)法律・会計・司法書士・特許等事務所等
(3)大学・短大・高専等、教育機関・研究機関
◆主な職種
(1)コンテンツ政策・編集<クリエイティブ系>
(2)法務、知的財産・特許、その他司法業務専門職
(3)大学等研究機関所属の教員・研究者
◆学んだことはどう生きる?
マスコミでの番組制作、取材、報道、弁護士の人権擁護活動、大学や研究所での研究活動、高校での教育活動で活躍している卒業生がいます。日本社会の現状を、インタビューや調査を通じて知ることに、授業での経験が役に立っているようです。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 歴史学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ドイツ。かつて暮らしたことがあるので。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『万引き家族』 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 英会話教材販売のクレーム電話対応 |